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STAR Modal 技術情報    

実験モード解析 Basic    

 

The STARModal System

時間領域解析(TDA:Time Domain Analysis)
実稼動解析(ODS:Operating Deflection Shapes)
モード解析(Modal Analysis)
多点参照法アドバンスド・カーブフィット解析(ACF:Advanced Curve Fitting)
構造変更シミュレーション(SDM:Structural Dynamics Modifications)
外力応答シミュレーション(FRS:Forced Response Simulation)

MULTI-VIEW

STARSystemは、マイクロソフト・ウインドウズの優れたインターフェイスを備えたPCベースの構造解析システムです。最新のSTAR6システムは、モード解析をはじめ、実稼動シェープ、モードと時間領域解、多点参照パラメータ推定法解析および構造変更/外力応答シミュレーションなどの解析機能を搭載しています。

STAR6システムは、実験構造解析システムとしての多くの機能を提供します。

振動/騒音のための解析機能

構造解析に携わる多くの技術者に最良の実験システムを提供します。STAR6システムの強力な機能によって、また、マイクロソフト・ウインドウズに基づいたインターフェイス、ネットワーキング技術を使用することによって、柔軟な実験構造解析システムを構築することができます。

STAR6システムは、高精度なモード解析をはじめ、時間領域解析、実稼動シェープ解析などの構造エンジニアリング技術を統合しています。それらの動的解法は、構造ダイナミクスの解析に必要なすべての機能を提供します。解析結果のアニメーション表示は、機械構造の振動・運動を直感的に観察し、問題を識別するために効果的に使用されます。

STAR6システムは、既存の計測システム(ハードウェア、ソフトウェア)と組み合わせて使用することができます。それぞれの計測システムからデータをインポートし、多様なアプリケーションに解析結果をエクスポートすることが可能です。例えば、多くのデータ収集システムあるいは、STAR5.xなどの共通データベースからテスト・データをインポートすることができます。また、文書処理、プレゼンテーションおよびスプレッドシート・アプリケーションへペーストするためにデータおよびグラフィックスをコピーすることができます。

より効率的な実験構造解析システム

STAR6システムは、システム導入費用やトレーニング時間を節約し、標準的なウインドウズ操作環境によるプルダウン・メニュー、ポイント・アンド・クリック・インターフェイスを特徴としています。STAR6システムの強力な解析モジュールを使用に先立って、ツールバー上のわずかなアイコン操作によって、論理的なメニュー構造を操作することができます。ビギナー・ユーザーは、STAR6のAssistantダイアログを参照し、そのガイドに従って実験構造解析プロセスを着実に進めることができます。

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計測データの集録、表示および解析

STARデータおよびデータベース・トランスレータによるインポート

STAR6システムは、実稼動テスト、インパクト・モードテスト、シェーカー・テストによる多点参照テストによる計測データを使用します。それらの計測データは、一般の計測機器システムによって測定され、保存されたデータです。また、計測データは、必要に応じてデータ・ディスク・トランスレータを使用し、STAR6システムへインポートされます。計測データを識別し、その測定ラベルやデータ・タイプを選択することも可能です。

STAR6システムの計測データを容易に検証するために、計測データの測定DOF、データ・タイプおよびその他のパラメータの詳細を確認することができます。

計測データ表示機能

計測データ表示には、新しい多くの新しい機能が搭載されました。1つのウィンドウに、最大16の計測データを重ね合わせ(オーバレイ)、あるいは並べて(セパレート)表示することができます。それぞれのカラーも任意に選択することができます。

計測データ表示は、特に構造解析に共通の時間ベース、周波数ベースの計測データ用に設計されています。その表示ディスプレイはインタラクティブに操作され、それぞれのデータに従って、実数、虚数、マグニチュード、ログ・マグニチュード、位相などのデータ・フォーマットによって表示されます。x軸のフォーマットとしては、周波数やRPMおよび時間から選択することができます。さらに、表示オプションの選択により、ナイキスト線図、ボード線図、コクアド線図などによって表示することができます。

その他、任意計測データのハイライト表示、ズーミング、自動/手動スケーリングなどの表示オプションを利用することができます。そして、グラフィックスやデータをコピーし、報告書やプレゼンテーションなどの文書処理アプリケーション、あるいは新たな解析のためにスプレッド・シート・アプリケーションへそれらを貼り付けることができます。

計測データ演算機能

時間ベースあるいは周波数ベースのデータに数学的演算オプションを提供します。例えば、FFT、IFFT、加算、減算、乗算、除算、微分、積分などの演算を行なうために計測データ表示ブロック機能を使用することができます。必要に応じて、演算を実行する計測データのチャンネル範囲あるいは周波数範囲の値を指定することができます。時間領域では、ローパス、ハイパス、などの時間領域バンドを定義することができます。

時間領域解析

時間変化に基づく機械構造物の運動を観察

時刻歴データのアニメーションは、測定時間の機械構造物の実稼動状態を示します。これは、一般に、振動問題を解析するための事前分析、あるいは運動問題の解析に必要とされます。時間領域解析は、非定常、非線形な過渡現象、特定周波数における振動、衝撃応答などに適用され、例えば、運転時の機械振動など、測定時間内において質量、剛性、減衰の動的変化が伴う場合の解析に有効です。

先進の時間領域解析技術

効率的に問題を解決するために、解析とアニメーション表示の豊富な機能を提供します。例えば、変位データへの積分演算は実際の運動現象を示し、最大変位部分を識別することができます。ディジタル時間領域周波数フィルタリングは、より一層の研究のために問題領域のアニメーション化を可能にします。また、インパルス応答による周波数応答関数(FRF)計測データ・セットに対して逆FFT演算を実行し、そのインパルス応答運動をアニメーション表示することができます。このインパルス応答プロセスにおいて、ディジタル・フィルターや積分などの演算を指定することも可能です。

実稼動シェープ解析

実稼動時の特定速度、特定周波数で構造運動を観察

外力、ギヤー・トラブル、インバランス、緩衝装備およびその他の要因によって生じる構造運動を解析し、アニメーション表示することができます。周波数領域計測データを使用し、実稼動シェープ(ODS)の構造解析を可能にします。一般に、ODS解析はその定常的動作する機械に対して行なわれ、その構造力学問題を理解するために、所望の周波数に関するアニメーションを観察することができます。

高精度な実稼動シェープ解析

伝達関数の測定に加えて、オートパワー・スペクトルおよびクロスパワー・スペクトルを測定することにより、スケーリングされた実稼動シェープを生成します。その結果は、加速度、速度、変位あるいは、重力加速度などの実稼動シェープを得ることができます。これらの実稼動シェープによって、それぞれの伝達関数が測定できない場合にもそれらのスケーリングで運動の振幅を比較することができます。

任意のピークおよび周波数をとトラッキングするアルゴリズムを使用することもできます。それは、特定の周波数での構造形状を監察したり、あるいは、ピーク付近をバンド設定することによって、バンド内のピーク周波数をトラッキングすることができます。ほとんどの機械は実稼動中にわずかに速度が変るため、ピーク・トラッキング技術なしに、その1周波数分解能ステップに関する速度変化に伴う機械の正確な実稼動シェープを得ることは不可能です。

モード解析

構造ダイナミクス問題の解析

構造ダイナミクス問題の高精度な解析には、モード解析を必要とします。それは構造物の動的応答からモードシェープを分析することを可能にします。STARシステムは、この実験モード解析システムにおいて、15年以上もの技術的リーダーシップを担っています。

モデリングとモードの識別

FRF計測データとモード・モデルを作成するには、2つのステップによって行われます。STAR6システムはモードを識別し、正確に周波数、減衰、レジデュなどのモードパラメータを評価するために、それぞれの機能を提供します。

モードの識別には、すべてのデータセットからモードを識別するための高精度な推定機能を使用します。そして、正確にモードパラメータを推定するために必要なカーブフィット手法を提供します。

基本となるピークフィット手法(コインシデント、クオドラチャ、複素ピーク)は、モードシェープの迅速な推定に、ローカル法によるシングル・モード(SDOF)およびマルチ・モード(MDOF)多項式カーブフィット手法によって、より高精度なモードシェープの推定に有効です。また、グローバル法によるカーブフィット手法は、連成が深い、高ダンピング、多くの重根を持つようなモードのための最良のソリューション技術です。SDOF、MDOFおよびグローバルなどのカーブフィット手法は高精度を保証するためのバンド外剰余項を考慮することができます。

STAR6システムは、モード周波数およびカーブフィット手法を推定した後、自動的に計測データ・セット全体を処理します。

FRFとモード信頼性評価基準の検証

計測FRFデータのパラメータを評価するために個々のカーブフィット後、カーブフィット結果が自動的に合成されます。

モードシェープの識別において、モード信頼性評価基準はモード間の相関性を推定します。これによってカーブフィット結果を比較し、モードの連成度を推定することができます。

多点参照データ解析

STAR6システムのアドバンスド・カーブフィット機能は、複数データセットの使用によるモード・パラメータを推定するために最小二乗法に基づく複素指数関数(LSCE)および多項式手法の高精度アルゴリズム技術です。複数の参照点に基づくデータセットによる柔軟性に富んだ多点参照(MIMO)データを評価することができます。

そのグラフィックス・ユーザー・インターフェイス(GUI)は、高精度の解析を支援します。例えば、シングル・モード、マルチ・モードを識別するために、マルチ・モード・インジケータ、スタビリティ・ダイアグラムおよびS-平面ダイアグラムを参照することができます。

アドバンスド・カーブフィット・プロセス(ACF)の高速カーブフィット処理により、大規模モデル、広い周波数帯域、重根が存在する場合などのモード解析の評価を可能にします。

STAR6システムでは、従来のACF解析のオプション・メニューに変わり、新しいACFプロセス機能が搭載されました。モードの選択は迅速に行われ、また、スタビリティ・ダイアグラム表示ウィンドウを直接クリックすることによって容易にポテンシャル・モードを選択することができます。従来は、ポテンシャル・モードのテーブルデータからのみそれらを選択しなければなりませんでした。

既存のFFT(スペクトラル)アナライザーとの互換性

市販のマルチ・チャンネル・アナライザーを使用し、多点参照解析を行うことができます。一般に、多点参照データを収集するには、2チャンネル・アナライザーでは、一度に1つの参照データを収集することができます。また、複数の多点参照データを同時に収集するには、加振コントロール機能を備えた多チャンネル解析装置を使用することができます。最適なモード・パラメータを推定するために適切なテスト方法に従って測定されたデータを必要とします。

構造アニメーション

高精度、高品質なリアルタイム・アニメーション表示

新しいモデル(構造物表示)ウィンドウには、4つの表示方向が追加されました。即ち、Front, Top, Side, Perspectiveです。この新しいモデル・ウィンドウには,最大16までのモデルの表示が可能です。

ユーザーは、その先進の高品質リアルタイム・アニメーション表示をインタラクティブにコントロールすることができます。即ち、回転、方向指定、速度、振幅、ポイント表示、ズーミング、パニングなどのコントロールをコントロール・パネル上から選択し、クリックします。

複数のモードシェープ、実稼動シェープあるいはその両方を同時にアニメーション表示することができます。

モデルの特定部分の運動を観察するために、各コンポーネント、各トレースへのカラー指定、あるいは各コンポーネントを指定することができます。構造運動を特定成分(x、y、z)に関して検討するために各成分のアニメーション表示も可能です。

構造運動の時間領域アニメーション

ビデオカメラのように加速度センサーによって測定された時間領域アニメーションの再生画面をキャプチャーすることができます。この機能により、実際のカメラでは検知できない構造物の複雑な運動を時刻歴データの測定により、定義した形状モデルに基づいてアニメーション表示することができます。時間領域アニメーションのための典型的な応用としては、インパクト試験のような衝撃に対する構造応答、長時間の非線形運動、非定常運動、機械の実稼動シェープ、機械の運転開始時や終了時の運動など使用されます。

STARは、実験解析システムとして高品質な時間領域アニメーションを提供します。そのアニメーション・タイミングは、コンピュータ上のパフォーマンスにしたがって最適化されます。また、より最適なダイナミクスを観察するために、コントロールパネルからアニメーションの速度変数などを調節することができます。

モードと変位の周波数領域アニメーション

実稼動シェープおよびモードシェープの操作は、特定の周波数で構造運動を示します。実際の構造物の振動は、多数の周波数(周波数帯域)の影響に依存し、周波数領域アニメーションは任意の周波数で振動を観察することができます。複雑な振動問題を識別し、問題の解決策を分析するために、多彩なアニメーション・コントロールを利用することができます

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幾何学形状モデル

ソリッド・サーフェースモデルを構築し、アニメーション表示が可能です。

ワイヤー・メッシュおよびソリッド・メッシュのウィザードにより、構造モデルの幾何学形状データを容易に生成するこができます。また、グラフィック上でマウスを操作し、容易にモデルを手動で定義することも可能です。

構造モデル

一般に、実験用構造モデルは、単純なメッシュあるいは幾何学形状を必要とします。STAR6システムのモデリング機能は、実際の構造モデルを効率的に構築できるように設計されています。構造モデルは一連の座標系(ローカルおよびグローバルの直交、円筒、球)およびオフセットや回転軸を伴うコンポーネントをテンプレートを使用し、容易に組み合わせることができます。正確な形状モデルは構造変更のような高度な解析技術にとっても不可欠です。

拘束式を備えたアニメーション

構造上のいくつかのポイントの測定が困難な場合や他の測定ポイントと同等であると仮定できる場合には、拘束式を利用することができます。拘束式によって測定されなかった任意のポイントを容易に運動させることを可能にし、より詳しい構造上のアニメーションを理解することが可能となります。

構造変更シミュレーション

構造変更シミュレーションによる構造ダイナミクスの推定

構造変更シミュレーション(SDM:Structural Dynamics Modification)は、構造・機械系の振動、騒音、損傷を修正する試行錯誤的な方法です。モードモデルに対して、「もし、このように変更したら、...」という推定を数秒で計算し、モードパラメータの修正値を決定し、構造の質量、剛性、減衰などの構造特性の変化を正確にシミュレートすることができます。SDMの高度なシミュレーション・ツールは、実験モードあるいは有限要素解析の動的モードのデータに対し、つぎのようなハードウェア変更を行うことができます。

モードシェープが得られた構造上の任意ポイントに質量の追加/削除する。
構造上の任意ポイントあるいはDOF間にバネ/ダンパーを追加する。
 
構造上の任意ポイントとグランド間にバネ/ダンパーを追加する。
 
構造上の任意ポイントに振動吸収器(質量、バネ/ダンパー)を追加する。
 
実験の任意コンポーネント同士および実験と有限要素法のモデル間を結合する。そして、統合化されたモードのプロパティが計算されます。
 

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変更結果を直ちに、アニメーション表示あるいはFRFシンセシスにより観察することができます。

感度解析への応用

振動の制振は、特定の周波数レンジにおける構造上の共振周波数の変更がしばしば必要となります。SDMは、目的に応じて必要な変更量を推定するための感度解析に応用することができます。SDMの共振変更コマンドを使用し、希望の構造上の修正方法(質量、剛性、減衰)およびそのロケーションを指定します。すると、その変更に必要な変更量を決定します。

ハードウェア変更コマンドを使用し、自動的に指定された共振変更を含む新しいモードデータを生成し、モデルを修正することができます。

外力応答シミュレーション

構造変更の最適テスト方法として、現実的な外力関数に対する応答を推定するために外力応答シミュレーション(FRS:Forced Response Simulation)を使用することは意義深いことです。実際の測定データおよびシンセシスされたパワー・スペクトル・データ(ランダム、過渡現象、調和外力あるいは、構造上の任意ポイントにおける変位、速度、加速度の応答を決定するための加振力の定義)を使用することができます。任意の複数ポイントに外力を入力し、現実的な総応答を生成することができます。

実稼動シェープの調和応答ミュレーション

STAR6システムの調和応答シミュレーションは、構造上の任意ポイントに指定された調和外力の組み合わせによる変形シェープを計算します。リアルタイム・アニメーションにより変形シェープを観察し、任意の周波数での正確な構造応答を評価することができます。

システム構成

STAR6 Modal Educational(教育機関版)は、小規模構造解析用の低価格モード解析ソリューションとして提供されます。この教育機関版は、テンプレート数:10、コンポーネント数:10、幾何学ポイント数:100、モード数:10などの制限付きですが、MAC、FRFシンセシス、カーブフィット手法(SDOF、MDOF、グローバル)を基本機能を含んでいます。

STAR6 Modal システムは、一般メーカーの設計、製造および実験部門などに必要なモード解析ソリューションを提供します。主な仕様はテンプレート数:100、コンポーネント数:100、幾何学ポイント数:9000の大規模構造を扱うことができます。また、モード数:100、カーブフィット手法(SDOF、MDOF、グローバル)、アドバンスド・カーブフィット(多点参照法)、時間領域解析、実稼動解析、MAC、FRFシンセシス、モード演算、AVI生成などの汎用的な機能を搭載しています。

STAR6 Modal Premier システムは、トータル・モード解析ソリューションを提供します。主な仕様は、テンプレート数:100、コンポーネント数:100、幾何学ポイント数:3000の大規模構造を扱うことができます。また、モード数:100、カーブフィット手法(SDOF、MDOF、グローバル)、アドバンスド・カーブフィット(多点参照法)、時間領域解析、実稼動解析、構造変更シミュレーション、外力応答シミュレーション、MAC、FRFシンセシス、モード演算、AVI生成などのフル機能で構成されます。

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